人を動かす
前々から気になっていた1冊。古典的な内容かと思っていたが、エピソード話はリンカーンなど過去の偉人の逸話がメインであるが、その内容は現代にも通ずる普遍的な内容であり、非常に興味深いものであった。
人を動かす原則
1.盗人にも五分の利を認める
相手を非難することでは何も生まれない。
ある動物実験では、良いことをした場合にほうびやる場合と、悪いことをしたときに罰を与える場合を比較したところ前者の場合のほうが、はるかに物事をよく覚え、訓練の効果が上がることが実証された。
相手をどんなに非難しても、自分が悪かったといわせることは出来ず、相手は自分の立場を正当化しようと躍起にならせ、「どう考えてもああするしかなかった」と言わせるだけになる。
人を批判したり、非難したり、小言を言ったりすることはどんな馬鹿者にもできる。
そして馬鹿者に限ってそれをしたがる。
ジェット機の整備ミスのおかげで、飛行中に両エンジンが停止した。普通であれば整備したものを呼びつけ激しく叱責するところを、フーヴァーは「君は二度とこのようなミスをしないと確信している。確信している証拠に、明日私のf-51機の整備を任せよう」と言葉をかけた。”偉人は小人の扱い方でその偉大さを示す。”
【相手を非難する代わりに、相手がそうするに至った経緯を理解するように努める。】
2.重要感を持たせる
人を動かす秘訣はただ一つしかない、それは自ら動きたくなる気持ちを起こさせること。
人間が持つ欲求のうち、自身で満たすことが難しく、満たされることがめったにない欲求が「自己の重要感」であり、この心の渇きを満たすことで他人の心を自己の手中に収めることが出来る。
他人の長所を伸ばすにはほめることと、励ますことが必要。人を働かせるためには激励が必要。
人の気持ちを傷つけることで、人間を変えることは不可能。
「どんな人間でも何かの点で私より優れている。―私の学ぶべき何かをもっているという点で」
【率直で誠実な評価を与える】
3.人の立場に身を置く
「釣り針には魚の好むものをつけるに限る」
我々は自分の好きなものに興味を持つが、他人のそれには興味を持たない。
だからこそ、人を動かす唯一の方法は、その人の好むのものを問題にし、それを手に入れる方法を教えてやること。
人間の欲求は心から生まれる。だから人を動かす最善の方法は、相手の心のなかに強い欲求を起こさせること。
鉄鋼王アンドリューカーネギーは、甥に手紙の返事をくれと書かずに返事を書かせた。
→追伸に2ドルずつ同封すると書いて、実際は同封しなかった。
相手の立場に身を置き、相手の立場から物事を考える。
自分の欲求を口にするのではなく、相手のメリットを伝えることで、相手に欲求をお粉さることが必要。
・ホテル使用料のやりとり
・トラックの荷物搬入時間のやりとりなど
【強い欲求を起こさせる。】